バッグの種類は、目的、ユーザー別、職業別でいろいろあります。サイズや形状、収納量、素材、持ち手の有無や長さで呼び名が変わります。
私が以前手がけたバッグの写真を貼っておきます。大きい物から、小さい物まで、たくさんの形があります。
*目的や機能から付けられた通称。ざっくりしてますね(笑)
●ビジネスバッグ:(書類やファイルが入り、スーツに似合うバッグの総称。パソコンを入れられるように緩衝材が入っているものもあります。握るタイプだけでなくリュックタイプ、ショルダータイプのものもあります)
●スポーツバッグ:(普通のバッグに比べてマチが広く大容量。ファスナータイプの2本手のものやショルダータイプ、背負えるタイプが有ります)
●エコバッグ:(エコロジーを意識した、たたんで携帯できる買い物用バッグ)
●トートバッグ:(トートとは、運ぶ・carryの俗語がtote。L.L.ビーンのトートバッグが有名ですが、もともとキャンバス地でできた大きめのふたの無い2本持ち手のバッグの事でした。エルメスのガーデンパーティーもトートバッグですね。)
●キャリーバッグ:(キャリーは運ぶということ。コロコロ転がせるキャスターが底についているものの和製英語。英語ではトロリーバッグ trolley bag)
●バックパック:(背中に背負う荷物袋の事を総称して英語で言うとバックパック→日本語だと背嚢)
●デイパック:(1日の荷物を入れるシンプルなファスナー式リュックの総称。登山リュックに比べて、小さく、一日に必要なあれこれ色々持ち運べるリュック、という感じ)
●ザック:(ドイツ語、主に登山用の大きなリュックサック)
●ドッグスリング、ペットキャリー、キャットスリング:(ペットに入ってもらって連れて歩く為のバッグ。スリングと呼ばれる物は柔らかいハンモックのように身体に添います。
●ガーメントバッグ:(洋服がしわにならないようにハンガーごと収納できるバッグ)
●トランク:(箱形の鞄で、本体とふたが蝶番などで連結しており、開閉は金具で留めます。箱形なので、角が傷まないように革のパッチや補強の鋲がついている物も多いです。箱形で堅く、力を加えても用意に変形しない鞄、車のトランクのように容量が決まっているものをを素材問わず総称してトランクと呼びます。
●サドルバッグ:(もともと馬の鞍に付けるバッグで、現在はバイクや自転車のサドルの脇にぶら下げるようなバッグ、又そのイメージをデザインしたバッグを言います。
●スーツケース:(海外旅行などに使われている、スーツも楽々入る大容量の頑丈な鞄。)
●スクールバッグ:(毎日の教科書が入る容量でショルダータイプと肩にかけられる2本手、リュックタイプが有ります。昔は学生鞄と言って重くて頑丈な革製鞄でしたが、最近は軽くて丈夫なナイロン製の天ファスナー付き肩掛けバッグや、斜めがけできるショルダーバッグも多いです。)
●通園バッグ:(幼稚園、保育園児が持つお弁当箱が入るマチ幅の、ナナメ掛けできる幼児サイズのバッグ。小さくて可愛いですよね!)
●ガーデンバッグ:ガーデニングをするときに道具を入れて歩く為の、トートバッグにポケットがたくさんついたバッグ
*ユーザーの職業や肩書きからつけられた通称
●アタッシェケース:(アタッシェとは大使館・公使館で、重要な専門分野を担当する方のことで、その方々が持っておられた箱形の頑丈な書類ケース。有名なものでは、ゼロハリバートンのジュラルミン製アタッシュケース。ミッション・インポッシブルや、メン・イン・ブラック、007などの映画にもでてきますね。 任せろ!何があっても中身は俺が守る!みたいな頑強さのある堅いケース型の鞄です。)
●ドクターズバッグ:(医師)口金の付いたダレスバッグの形で、お医者様が往診で使われるバッグ。広く口が開きます。
●学生鞄:(教科書やノート、ファイルなど重量の有る中身に耐えられるほど頑丈に作られています。昔の学生鞄は堅い芯が入っていて、風琴マチが付いていて返し合わせで縫ってあり革製で、かぶせるフタ付きのものが多かったです。ファスナータイプもありました。中身も重いのに、更に鞄自体も重くて通学だけで体力消耗してしまう程でしたので、筋トレには最適ですね。
そもそもの鞄の存在意義は度外視して、中身を入れずに薄くして持つのも一部のやんちゃな学生の間で流行ってました。
最近は革製でなく、軽くて丈夫なナイロン製の制鞄、スクールバッグがほとんどです。)
●スタイリストバッグ:(ファッションスタイリストが持つ、肩にかけられる大きなナイロン製バッグ。中身が空になると、小さくたためるようになっています。とにかくたくさん入ります。)
●OLバッグ:(OLバッグとは業界での通称ですが、ビジネスウーマンを対象とした通勤用のバッグ。就活用としても真面目なイメージのバッグです。A4ファイルやパソコンが入り、マチが厚い物ではお弁当や化粧ポーチも入るもの。2Wayタイプは2本持ち手に付けはずし可能なショルダーがついています。)
●マザーバッグ、リュック:(乳幼児と一緒に行動するお母さんにとって便利な機能を備えたバッグ、リュック。私も18年前に、アルティザン&アーティストでマザーリュックをデザインしました。ロングセラーで今でも販売されてますが、多機能スタンディング・リュック 7WB-WW01という名前に変わり、ママだけでなく幅広いユーザーの方に使っていただいているようです。)
●ホーボーバッグ:(三日月のようなフォルムのバッグに1本持ち手がついたバッグ。「放浪者」が語源になっていますが、ルイ・ヴィトン、グッチやコーチ、ロエベ、ボッテガ・ヴェネタ等のブランドでもホーボーバッグと呼んでいるデザインが多数販売されています。
●グラニーバッグ:(おばあちゃんが持っているようなギャザーやタックが入ったバッグで、厚地のテープでくるんで縫い、テープを持ち手にした簡単な作りのバッグ)
*持ち方や形状の名前
●ハンドバッグ:(女性用の、掌でつかんで持つ、又は手首から肘を曲げた位置にかける小振りのバッグ)持ち手のついたパーティーバッグやカクテルバッグもそのひとつ。
●ショルダーバッグ:(肩から下げる長いベルトのついたバッグ)
●ベルトポーチ:(腰に巻くベルトにバッグがついたもの。あまり大きいと歩行に支障をきたすので、ポーチほどの大きさの物が多い。)
●セカンドバッグ、クラッチバッグ:(クラッチはつかむ、握るという意味で、持ち手がない、片手で持つ小形のバッグ。持ち手の無いパーティーバッグやカクテルバッグもそのひとつ。)
●バケットバッグ:(バケツ型のバッグ。マチが円形や小判型の底マチになっていて、1本持ち手、またはショルダーバッグになっている物が多い。)
●リュックサック:(背中に背負うタイプの袋物は、色々な種類がありますがひっくるめてこう呼びます。米国ではバックパックbackpack、日本語では難しくて書けない覚えられない漢字ですが背嚢はいのう、英語ではナップサック knapsackと言われています。日本ではナップサックはひもで絞る簡単に背負う袋物をさしています。)
*人物や大学の名前がつけられたもの
●ケリーバッグ:(グレイスケリー)
●ダレスバッグ:(ダレス長官)
●ボストンバッグ:(ボストン大学)
*有名ブランドの、人気のアルバッグのデザイン名がそのまま通称になったもの
●ボリード:(エルメスの旧ブガッティ)
●エディターズバッグ:(バレンシアガ)、などなど、他にも有りますが、きりがないので。
バッグの商品企画をするときは、まず何を入れる為のバッグか中身を特定し、どう持つのかを考えると、おのずとサイズと形状を絞り込んでデザイン事ができます。